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子どもの肺炎
咳・熱が続くときの対応と
受診の目安

 
「咳がなかなか治らない」「熱が下がってもまた上がる」――そんなとき、肺炎が気になる保護者の方も多いと思います。
この記事では、豊田市の小児科・アイキッズクリニックが、肺炎の原因・症状・受診のタイミングをわかりやすく解説します。
不安になりやすい「肺炎」という言葉に振り回されず、今のお子さんにとって本当に大切なことを、一緒に見つめていきましょう。

 肺炎とは?

 
肺炎とは、肺に炎症がある状態を指します。
レントゲンで写らなくてもCTで確認されることもありますが、症状が軽い場合は自然に治ることが多いのも特徴です。
当院では、「肺炎かどうか」だけでなく、お子さんがどれだけしんどそうか、食事・睡眠はどうか、原因は何かを重視しています。

原因と種類

肺炎は主に、ウイルス性と細菌性に分けられます。
 

ウイルス性肺炎

風邪が長引く形で起こることが多い
比較的軽症で自然に治ることが多い
咳・鼻水が続くが元気はあるケースが多い
 

細菌性肺炎

高熱・痰絡みの咳・呼吸の苦しさが目立つ
マイコプラズマや肺炎球菌などが原因
抗生剤で改善するケースが多い
 

※集団生活を始めたばかりの乳幼児に多く、徐々に悪化する場合は、細菌性肺炎を疑います。

主な症状

 

たんが絡んだ咳が2週間以上続く
熱が出たり下がったりを繰り返す
ぐったりして食事や水分が取れない
呼吸が浅い、ゼーゼーしている

検査と診断

当院では、レントゲン検査は実施しておりません。
以下のような検査を組み合わせて、肺炎の原因や重症度を評価します。

当院で行なっている検査

末梢血検査(白血球数・CRPなどの炎症マーカー)
肺炎球菌抗原迅速検査
多項目同時PCR検査(マイコプラズマ・百日咳など15種類のウイルス・細菌を検出)

 
迅速検査だけでは分からない感染症にも対応できるよう、正確な診断と最適な治療を心がけています。

治療法

ウイルス性肺炎】

特効薬はありませんが、咳や熱を和らげる薬で快適に過ごせるようサポートします。
 

【細菌性肺炎】

感染の原因となる菌に合わせて、抗生剤を処方します。多くの場合、飲み薬で治療可能であり、入院を必要とすることは稀です。

家庭でできるケアと声かけ

無理に食べさせず、水分補給を最優先
夜間の咳が強いときは、加湿・上体を少し起こす工夫を
「咳が続いてつらいよね」「よく頑張ってるね」と、今の姿を認める言葉かけ

「肺炎」という言葉に驚いてしまうのは当然のこと。でも、お子さん自身が今、つらい」と感じていることを受け止めることが、もっとも大きな安心につながります。

受診の目安

咳が2週間以上続いている
高熱が3日以上続く
ゼーゼー・呼吸が苦しそう
食事も水分もとれず、ぐったりしている

登園・登校の目安

熱が下がり、呼吸が落ち着き、食事や睡眠が安定してからが目安です。
周囲に合わせようと急がず、「もう行けそうかな」と本人が感じられるタイミングを大切にしてあげましょう。

よくある質問

 
Q. 肺炎と診断されたら、入院が必要ですか?
A. 多くの場合は内服薬で改善が見込める軽症の肺炎です。重度の場合は入院も検討します。
 
Q.マイコプラズマはどうやって調べるの?
A.当院では迅速検査ではなく、15項目の同時PCR検査でマイコプラズマや百日咳なども正確に調べられます。
 
Q.レントゲンがないけど大丈夫ですか?
A.はい。血液検査や症状の経過、PCR検査などを組み合わせて診断しています。必要に応じて紹介も可能です。

まとめ 
「肺炎」と聞いても、
落ち着いて見守れるように

 
 
子どもの肺炎は怖い病気というイメージが強いですが、早期発見と適切な対応で多くは軽快します。
焦らず、「今できること」「今のお子さんの状態」を一緒に見つめながら、安心できる時間を過ごしましょう。
 
当院では、発熱や咳が続くときの診断・治療・検査にも幅広く対応しています。
不安がある場合は、いつでもご相談ください。
 

当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。