ADHD
(注意欠如・多動症)
「集中が続かない」「順番を待てずに動き回る」「片付けが苦手」などの行動が目立つ ADHD。
当院では、医学的評価と実生活での支援をワンストップで提供しています。

ADHDの
医学的基礎知識
ADHD は遺伝要因を主とする 脳内ノルアドレナリン・ドーパミン経路の調整機能の違い により、以下3領域で課題が現れます。
不注意: 忘れ物・うっかりミス・課題への集中維持が難しい |
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多動: 手足を動かす・席を離れる・静かな遊びが苦手 |
衝動性: 質問を最後まで聞けない・割り込み・危険行動 |
神経心理学的には実行機能(ワーキングメモリ、計画、抑制)が弱まりやすく、睡眠不足やストレスで症状が増強します。
評価・診断の流れ
医師初診: 問診・行動観察・家族ヒアリング |
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尺度評価: ADHD-RS等を保護者・学校に依頼 |
知能検査: WISC-V で知能特性を把握 |
併存症スクリーニング: ASD・不安・チック・睡眠障害などが併存していないかも診察で確認します |
家庭・学校でできるサポート
タスクの分割と可視化: 1つずつ紙に書き “終わったらチェック” |
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ご褒美より記録: 目標に向かう過程をチャートで見える化 |
物の定位置を決める: ランドセルの横にフック、色分けファイル |
運動・短い休憩の許可: 授業中にストレッチ許可カードなど |
十分な睡眠: 就寝1時間前はブルーライトを避け、同じルーティン |
治療の選択肢
環境調整がベースですが、学業や生活に大きな支障がある場合は薬物療法を検討します。
中枢刺激薬: メチルフェニデート徐放剤(学校・家庭での注意維持を改善) |
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選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬: アトモキセチン(終日持続、睡眠影響少) |
α2A受容体作動薬: グアンファシン徐放剤(衝動・情緒波に有効) |
いずれも身長・体重のモニタリングが必要です。
当院では定期フォローで副作用をチェックし、必要最小限の用量を調整します。
当院からのメッセージ
ADHD を持つお子さんは発想力・行動力・興味の幅広さという強みがあります。
その力を発揮できるよう、環境調整と必要最小限の治療で伴走します。
「忘れ物が多い」「落ち着きがないかも」と感じたら、早めにご相談ください。
よくあるご質問
Q. やる気の問題ではないの?
A. 意志の弱さではなく脳の情報処理特性です。
適切な支援で能力を発揮できます。
Q. 薬は一生飲み続けますか?
A. 成長とともに実行機能が発達し、減量・中止できるケースも多くあります
Q. みよし市在住でも通院できますか?
A. 可能です。みよし市から車で20分、駐車場完備です。
Q. 学校への配慮はどう依頼すれば?
A. 支援会議への参加や診断書作成で具体的な環境調整を提案します。
【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二(小児科専門医)
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
お気軽にご相談ください。