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2014年7月27日

川崎病には流行があるのよね。典型的なBCG接種部位発赤の紹介


ガンガン暑くなってきている夏!

川崎病が流行っている時期でしょうか?

この1ヶ月で3人診断しました。

3人とも確定例で入院治療しています。

地域の診療所レベルで1ヶ月に川崎病が3人というのは多いかなと思うのですが…他の地域はいかがでしょうか?

 

川崎病の主要症状は以下の6つ

 

1.5日間以上続く高熱 ⇨ これ第1条件
2.首が腫れる(頸部リンパ節腫脹) ⇨ 小さい子ではハッキリしない。大きい子では首の痛みを訴えることもあります。
3.目が赤くなる(眼球結膜充血) ⇨ これも小さい子ではハッキリしないこともあります。
4.唇が赤くなる・舌が赤くブツブツになる(口唇発赤・イチゴ舌) ⇨ 唇がひび割れて出血することもあります。
5.手足が赤くなる(手足の硬性浮腫) ⇨ 手のひらや足の裏が赤くなり浮腫むのが典型的所見です。
6.全身の発疹 ⇨ 様々なパターンがあるので、この皮膚所見が川崎病!とは言えません。ですが、高熱2−3日目以降から発疹が出てくる場合は川崎病は必ず鑑別疾患に入ってきます。

 

まずは高熱があることが大前提で、その他5つのうち4つが揃えば川崎病と診断します

 

川崎病の主要症状は上記の6つですが、もうひとつ診断の助けになる症状があります。

それは、BCG接種部位の発赤です。

BCG接種部位の発赤が他の病気で見られることはほとんどないので、

逆に言えば、BCG接種部位の発赤が見られれば、川崎病の可能性がより高くなってきます。

 

この1ヶ月で当院で経験した3例のうち、BCG接種部位の発赤が見られたお子さんの経過を紹介します。

 

経過紹介 ※ご家族の了承を得ています。

 

1歳のお子さんが高熱2日目で当院受診。咳はなく、透明な鼻水が少し出る程度。
受診時は目の赤みがあり、機嫌は悪く、食欲はいつもの半分くらい。
⇨夏風邪のヘルパンギーナが流行っているので夏風邪かな?目やにがないのに目が赤いのが気になるな?と思いつつ….

 

まずは高熱の原因となる病巣を探すために中耳炎の有無を確認するも、中耳炎は認めず。

⇨子どもの高熱では必ず中耳炎の有無を確認するべきです。中耳炎を認めれば、感染病巣と病原菌がかなり絞られます。

 

次に指先の採血で血球測定。
⇨白血球数と好中球数で何の感染症か当たりをつけることができます。

また、最近の採血針は痛くないものも出てきています。たった1滴の血液、ものの1分で検査結果が出ます。

ホント便利になりました。

 

採血の結果は、白血球数:16700/μl 好中球数:10000/μl   ヘモグロビン:11.0g/dl 血小板数:21.9万/μl

白血球数と好中球数の上昇を認めました。

⇨夏風邪のヘルパンギーナでは白血球数がここまで上昇することはありません。咳がなく白血球数が上昇する感染症というとまずアデノウイルス感染症を考えます。溶連菌感染症の可能性もありますが、この年齢での溶連菌感染症では高熱が出ることは少ないです。

 

アデノウイルス感染症を狙いつつ、一応溶連菌感染症も含めてノドの迅速検査を行う。しかし、ともに陰性。
⇨咳がない高熱、白血球数が高い、しかも目が赤いとなると…川崎病?尿路感染症の可能性もある?と考えつつ

 

食事が取れる程度ならひとまずは様子を見ることができると判断し、解熱鎮痛剤のみ処方して高熱が続くなら川崎病の可能性があることも説明し翌日受診を指示して帰宅。

 

案の定、その日の夜から全身にうっすら赤い発疹が出てきて、高熱も続き翌日受診。
お母さんも川崎病のことをネットで調べてきてくれて、お母さんの方から左腕を見せてくれました。

 

その時の写真がこちら、典型的な川崎病のBCG接種部位の発赤です。

川崎病のBCG接種部位の発赤

 

2回目受診時の採血では、白血球数:13200/μl  好中球数:8200/μl  ヘモグロビン10.7g/dl  Plt:21.1万/μl でした。
この時点で川崎病の主要症状6つのうち、クビの腫れ、手足の発赤、口唇の発赤はハッキリしませんでしたが、経験的にまず川崎病でしょうということで、入院加療目的で総合病院へ紹介しました。

 

通常は高熱4-5日目でようやく症状が揃ってきてから診断がつくことが多いですが、このお子さんの場合はBCG接種部位の発赤を認め早めに診断をつけることが出来ました。

 

川崎病自体は人から人へうつるものではないですが、何らかの感染症が関わっていると言われています。中国からの風の影響とかなんとか、という報告もありますね。

Tropospheric winds from northeastern China carry the etiologic agent of Kawasaki disease from its source to Japan

⇨ホンマかいな?

 

日本の小児科医・川崎富作先生が1967年に報告してからもうすぐ50年、原因が未だにはっきりしていませんが、幸い治療法が確立しているので、さほど心配ない病気ですね。うちの娘も4歳の誕生日直前に川崎病になり、入院中に誕生日を迎えました(;´д`)トホホ… 治療がよく効いてさっさと退院させてもらいました。

 

高熱と目が赤いだけでいきなり川崎病を心配する必要はありません。
高熱とBCG接種部位の発赤は川崎病の可能性が高くなってきます。

 

高熱がある時は、ぜひお子さんのBCG接種部位を確認して下さいね。

 


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