小児科でよく出されるペリアクチン(シプロヘプタジン)について


 

「アスベリン・ペリアクチン・ムコダイン」

 

風邪のお子さんを連れて病院を受診したことがある方なら何度か見たことがある組み合わせではないでしょうか?

小児科医的には

「アス・ペリ・ムコ」

ですかね?

小児科、耳鼻科、内科、総合病院、どこへ行っても同じ処方。

こどもの風邪薬と言ったらこの処方。

さぞかし評価の高い薬?と一般の人だと思ってしまうかもしれません。

まー正直言って大した薬ではありません。

いや、意外に要注意な薬です。

 

今回はペリアクチンについて

歴史

1958年にアメリカの製薬会社メルクにより合成。

1961年にじんましん等のアレルギー性疾患に対する薬として日本で発売。

1971年に追加効能として「食欲不振・体重減少の改善」が承認….

これもあって小児科でよく処方されるようになった?

僕が10年前に購入した小児科の薬の本にはペリアクチンの食欲増進作用についてまだ書かれていました。

その後、再評価を受けて….

1996年に有用性を示す根拠がないとの理由で「食欲不振・体重減少の改善」の効能が削除されました。

しかし、1971年から1996年までの25年間、四半世紀も「食欲不振・体重減少の改善」の効果も期待されて小児科で使われてきて、それに倣って内科や耳鼻科でも普通に使ってきて、これだけ世に浸透した薬なわけですから、効果がないといきなり言われても、すぐには変わらないわけであって、なんとなくずっと使われているという感じでしょうか?

 

薬理的特徴

強力な抗ヒスタミン作用・抗セロトニン作用がある。

ペリアクチンは第一世代の抗ヒスタミン薬に分類され、脳へ移行しやすく眠くなりやすい。

ペリアクチンの抗セロトニン作用はLSDにも匹敵する。

補足:じんましんや喘息・花粉症等のアレルギーにはヒスタミンという物質が大きく関わっており、そのヒスタミンの作用を抑えるのが抗ヒスタミン薬。脳へ移行しやすい第一世代と、脳へ移行しにくい第二世代があります。ペリアクチンは第一世代抗ヒスタミン薬になります。その他第一世代抗ヒスタミン薬として、ポララミンやアタラックスなどがあります。

 

効能・効果

・じんましんよるかゆみの軽減、花粉症等の鼻水・くしゃみの軽減

僕も小児科医になりたての時はよく使っていまして、確かに子どもに使うとかゆみが引くし、鼻水も止まります。しかし、よく寝ます。1日3回飲もうものなら1日寝がちになってしまう子もいます。僕はここ5年以上は使っていません。

 

副作用

・脳への抗ヒスタミン作用による強烈な眠気
僕も大人量を試しに飲んでみたら仕事が全くできないくらい眠くなりました。
・抗コリン作用による口の渇き
鼻水の分泌は減りますが、唾液の分泌も減ります。抗コリン作用は喘息発作を悪化させるので喘息の方は要注意ですね。

・乳幼児の無呼吸
呼吸が浅くなることがあるので、生後6ヶ月未満は特に使用は控えたほうがいいです。
生後6ヶ月以上でもダウン症の子でこの薬を飲む度に無呼吸になって顔色が悪くなるという子を経験したことがあります。
・痙攣の誘発
第一世代抗ヒスタミン薬全般に言えることですが、痙攣を誘発することがわかっています。てんかん持ちの子は要注意です。

この薬を作ったアメリカでは副作用のこともあり子どもにはすでに使われていません。

 

アイキッズクリニックでは?

当院では使用していません。

僕自身はこどもに第一世代の抗ヒスタミン薬自体を使いません。

・ペリアクチンの無呼吸を何度か経験したこと

・第一世代抗ヒスタミン薬はけいれんを誘発すること

・ペリアクチンの抗セロトニン作用に抵抗があること

以上の理由で第一世代抗ヒスタミン薬を使っていません。

いっぱいいろんなことを経験して成長していく乳幼児期に風邪薬で脳を抑えちゃうのは良くないですね。

僕はじんましんの時、鼻水がひどくて寝つけない時だけ頓服で第二世代抗ヒスタミン薬を飲んでもらうよう指導しています。

鼻水が出ていても食欲があって元気に遊ぶ子は大丈夫です。

こども自身の治る力を伸ばしていきたいですね。

 

当院では、病気のこと・薬のことをご家族にもっと知ってもらうために丁寧な説明をし、

出来る限り薬に頼らないシンプルな治療を心がけています。

 


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